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永遠の愛のカタチ
第4章 祐の想い ※
あの顔はどこかで……。
同じ会社にいる人ではないし、パッと出てこないから腕を組んでよく考えてみた。
何かが引っ掛かっていてもう少しで思い出せそうな気はしている。しかも、見たのはつい最近のことだ。
考えていても分からなくなったオレはその男性の顔が見える位置に移動して姿を確認した。
こんなことをして他人を見ているオレの方が逆に怪しくなっているけど……。
でも、もう一度男の顔をしっかり見た時に記憶が蘇ってそのモヤモヤがなくなった。
この人は、この前小春のばーちゃんに白い桔梗を持ってきたやつだ。
直接話したことはないけど、困っているみたいだからとりあえず声を掛けてみることにした。
「あのー、ここのお店は移転したみたいですよー」
「えっ、そうなんですか……。ありがとうございます」
お礼を言いながら丁寧に頭を下げたその男は顔立ちが整っていてオレよりも身長が少し高い。
同性でも見惚れてしまうほど爽やかな雰囲気で穏やかそうな感じだし、悪い奴ではなさそうだった。
「前に花屋をやっていたばーちゃんに白い桔梗を持ってきた人ですよね?オレはあの時、ばーちゃんの後ろから見てたやつです。覚えてます?」