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永遠の愛のカタチ
第4章 祐の想い ※
オレは少し離れたショーケースを見ている男の方へ仕方なく足を進めた。
もう一度話し掛けられると思っていなかったのか少し驚いた顔をされたけど遠慮なく聞いてみる。
「すみません……。婚約指輪ってどういうの買いました?オレ、どういうものを買えばいいのか分からなくて……」
「相手が欲しいと思っていそうなものですかね」
何の迷いもなくさらっと返事が返ってくる。それが分からないからオレは聞いているというのに……。
流石、プロポーズという壁を無事に乗り越えた勝者の余裕は違う。
「お恥ずかしながら彼女にどういう物が欲しいのか言われたことがないんですよね……」
すぐに選ぶことができない事情を話してみると男にやんわりと笑みを浮かべられた。
でもその笑みは穏やかだけどオレの周りの人とはどこか違うもので不思議な感じがした。笑顔なのは違いないけれど。
「言われなくても相手のことをよく見ていると分かりますよ」
「よく見る…ですか……」