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永遠の愛のカタチ
第1章 離れていても幸せだから
家の方へと歩き出してしばらくすると、背後からコツコツッとヒールのある靴で駆けてくる音が聞こえた。
何事かと思って振り向くと、その正体は先程別れたばかりの先輩だった。
急いで走ってきたのか息を切らしながら私の元へやって来る。
「小春ー!借りていたライブDVD返すの忘れてた。ごめんね」
「来週でも大丈夫でしたよ。でもわざわざありがとうございます」
「なかなか会えなくなるから忘れないうちにしておかないとね」
貸していたDVDを渡してからニッと笑って謝罪してきたのは会社の先輩兼親友でもある穂並さん。
入社した頃からお世話になっていて私を育て上げてくれた人だ。
色白で体型も細見の美人で新婚ホヤホヤ。結婚という面でも穂並さんは私にとって先輩だった。
「DVDを貸してくれたお礼に会社帰りにご飯に連れて行きたいけど、いつがいい?」
「えっ、そのくらいいいですよ。私も払います」
「いやいや、ここは後輩として甘えなさい。あたしも食べに行けるように都合つけておくから」
「――――そうだぞ、はくまい。ここは穂並に甘えておけ」