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永遠の愛のカタチ
第3章 ふたりの出会い、ふたつの家庭
「割と古めのアパートだったけど綺麗なところだったわよー。一度歩いただけでは道が覚えられないほど入り組んだ住宅街でね、歩いて駅にも行けるからいいところだなっては思ったわね。
でも子供が生まれて狭く感じるから早く一軒家に引っ越したいって言っていたわ」
「家かー。青木もそんな年になったんだなー」
感慨深そうに腕を組んだ椿さんの薬指には銀色の指輪がはめてあり、天井の照明に反射してキラリと光った。
新しめの結婚指輪をチラッと見た穂並さんはジトッとした目をして椿さんの顔へと視線を移す。
「そういう椿たちだって家を建てるんでしょ?いい土地は見つかったの?」
でも、待ってましたと言わんばかりにニヤリと笑われて穂並さんは少し驚いていた。
「見つかったぞー。嫁さんも育休が終わったら職場に復帰するから会社に近いところにした」
「はぁ!?この辺りの土地は高くない!?」
「おれは山でも良かったんだけどなー。嫁さんが会社から近くて便利なところがいいって言うから。
家では嫁さんに尻を叩かれて、会社では仕事に励んでローンを返していくしかないな」