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第1章 離れていても幸せだから

「バカ優！なんでわたしのことを置いていくのよ！」


スタスタと早足でやって来たのは土嶋　葉月(ツチシマ　ハヅキ)さん。


私と同じ歳の女性だけど、入社した時期は違うから彼女の方が先輩である。


そして私の婚約者と同期で……――――私の恋のライバル……だった。


ひとりの男を巡って争っていたけど、土嶋さんが敗れて失恋してからは椿さんと付き合っている。


「すまん。いつまで経ってもトイレから出てこないから先に帰ったのかと思った」


「女は男と違ってトイレに時間が掛かるのよ！そんなのも分からないの！？」


「そうなのかー。悪かった」


「悪かったじゃないし！罰として今週全部洗い物をやってもらうから」