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永遠の愛のカタチ
第3章 ふたりの出会い、ふたつの家庭
「どうぞ、どうぞ。聞かせてください」
予想だにしていなかった台詞を聞いて更に動揺する私。
同じ会社で働いていた時は土嶋さんとガールズトークをできる日が来るなんて思ってもいなかった。
「長くなりますよ?」
「大丈夫です。息子もぐっすり寝てますし」
「祐に振られた日、職場に戻ったら優がわたしのことを抱きしめてくれたんですよ……――――」
* * *
「よしよし。こんなおれだって失恋した時に慰めることくらいできるぞ」
土嶋さんが祐に失恋した後、職場に戻ると椿さんが慰めるように抱きしてめた。
祐から私を引き離そうとするために協力してもらっていただけなのにここまで慰められて土嶋さんは驚くばかりだった。
でもずっと心の支えになっていた祐が傍からいなくなってしまってぽっかりと開いた穴を埋めてくれるように椿さんの温もりは心地よかったようだ。
定時から大分過ぎていて他の社員は帰宅しているから職場に二人きり。
椿さんは土嶋さんが泣き止むまで静かに冷えた体を包んでくれていたようだった。
「……どうしてここまでしてくれるんですか?」