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永遠の愛のカタチ
第3章 ふたりの出会い、ふたつの家庭
「ああ。振られているんだから仕方ないし、どうにもならない。……土嶋だってもう分かっているだろ。青木が振り向くことはないって」
「バカ……、バカ……!先輩は本当にバカでムカつきます……」
失恋していてもまだ余裕があるように見下ろしてくる椿さんの胸元をトントンッと叩く。
その拳で歯向かっても泣いているせいで弱々しい力になっているのもあり、ビクともしなかった。
「図星か。意外と分かりやすいな。土嶋は」
おまけに、いとも簡単に手首を掴まれて動きを止められる始末。
「今まで取っつきにくい奴だと思っていたが、案外子供っぽいのな。自分に嘘をつかないところと一途に人を好きになるところは気に入ったぞ」
「はぁ?」
何を言っているんだろう。こいつは。
悲しみと怒りに包まれている土嶋さんがそう思った時にはもう遅かった。
今渦巻いている嫌な感情を取り払うかのように椿さんがしてきたものは意外なものだった。