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永遠の愛のカタチ
第3章 ふたりの出会い、ふたつの家庭
土嶋さんに冬和を預けて早足で玄関へと向かう。
私が出てくるのを催促するようにドンドンッと扉を叩かれている。こうなると誰なのかもう確定したものだ。
どうなるのか目に見えているからドアを開ける気持ちが進まない。
「お待たせしてすみませ――――」
「青木さんの家、またうるさいんだけどどうにかならないの!?話し声も聞こえてくるし、物音もうるさい。
おかげでうちの子が勉強に集中できなくて困ってるの!昼寝もできやしない」
「すみません……」
予想は当たり。尋ねて来た人は同じアパートに住む中年の女性だった。
冬和が生まれてからこうやって度々文句を言いに訪ねてくるから困っている。
「子供も泣いてばかりだし、虐待しているんじゃないでしょうね?あまりにもうるさいとまた通報しますからね」
それだけは困るから中年女性の文句を言い終わるまで私はひたすら頭を下げ続けた。
虐待もしていないし、幼児が泣くのは仕方がないからこんなことを言われて悔しいけれど……。
これも出産してからの悩みのひとつになっていた。