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永遠の愛のカタチ
第3章 ふたりの出会い、ふたつの家庭
「会社から近いところだと他はどこも結構高いからなー……。駅にも近いからここがいいと思ったんだけど……」
「そうだよね……。花屋で働いていた時にこの辺りの賃貸や土地は高いって聞いてた」
「でもここは嫌なんだろ……?」
「…………」
先程までの笑い声がなくなって、私も何も言えなくなり、家の中が一気に静かになる。
地元にいた時よりもいい生活をできるとは思っていなかったけど、こんなことで悩む羽目になるとは予想外だった。
祐が一生懸命働いてきて、このアパートも懸命に探してくれたというのに……。
どうにかしたいけど住居に対して不満を持っているのが申し訳なく思えてきた。
だけど、幼い子供を一切泣かないように躾ることなんてできないし、このまま罵倒に耐え続けるのも精神的につらい。
この二つの気持ちが混ざり合って祐になんと言えばいいのか分からなくなる。
「やっぱりなんでもない。困らせてごめんね。……冬和がいつ起きても大丈夫なように私も先に寝るね」