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永遠の愛のカタチ
第3章 ふたりの出会い、ふたつの家庭
用件だけ伝えてきて足を止めずに家から出て行かれて今度は私が祐に逃げられてしまった。
一体どういう風の吹き回しなんだろう。
不満をぶつけて贅沢なことを言っている私のことを鬱陶しくなったとか……?
今すぐ祐に確かめたいけど仕事に向かってしまったし、帰って来るまで大人しく待つしかない。
「祐ったら、まったく何なの……」
冬和と二人になってからも祐にどう思われているのか不安になって育児をしていても上の空だった。
掃除機を掛けるために引っ掛かりがある窓を開けると眩しい太陽の光が差し込んでくる。
どこにいても見れるものを目にして地元にいた時のことをふと思い出す。
両親におばあちゃん、穂並さんは今頃元気にしているかな……。
地元にいた時は誰かに助けてもらっていたけど、今は頼れる人が花屋の店長しかいない。
支えてくれる人たちが傍にいた時を思うと未だに少しだけ寂しくなってしまう。
「うわぁああん」
「あーあ、泣かないで。冬和の大好きなおもちゃを持ってくるからねー」
泣き始めた冬和の機嫌を良くするために掃除をしていた手を止めて急いでおもちゃを取りに行く。
でもそうしている間に悩みの種がやってくる。