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永遠の愛のカタチ
第3章 ふたりの出会い、ふたつの家庭
「うわああん。まぁー、ぱぁー!」
昨晩、話を最後までせずに立ち去ったことを謝ろうとすると冬和の泣き声が聞こえてきた。
しっかりと寝かしつけてきたはずなのにもう起きてしまったようだ。
「やべっ、冬和が泣いてる!ママの方も呼んでるみたいだけどオレが行ってくるから」
「うっ、うん。ありがとう……」
育児を協力してもらって嬉しいはずなのに、テーブルの上にのっている空になった茶碗と皿を見ると虚しく思えてくる。
昨晩話した私の悩みは祐の中でなかったことにされているんだろうか。
また今日も隣の人がうるさいと言いに来たことを話しても昨日と同じなのかな……。
きっと、もう一度話したらまた祐のことを困らせてしまうかもしれない。
食器を洗ってから炊飯器に米をセットした後、祐と冬和の様子を静かに覗いてみると二人で眠っていた。
この光景を見れて幸せなはずなのに、すぐ側にいても話すことができなくて胸が苦しくなる。