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第1章 捕縛

彼女はハっとした表情を見せてうつむいた。
由里の頭の中で目の前にいる男の言葉がこだましていた。
お前は捕まったんだ。
それは由里が毎日妄想していた世界そのものだった。
由里は捕らえられ女囚として厳しい尋問や拷問を受ける事を日々妄想してオナニーしていたのだ。
それが突然目の前に現れた感じがした。
治夫はリモコンでローターをとめると「行くぞ。」と由里に命じた。
由里は本当に観念したのか沈黙のまま立ち上がると治夫についてきた。
治夫達は改札をぬけると治夫のアパートに向かって歩き出した。
由里は一歩後ろからついてくる。
まったく抵抗する素振りすらない。
やがてアパートにつくと部屋には向かわずに駐車場に向かった。
由里は治夫の後についてくる。
由里の頭の中ではもう逃げられないという思いでいっぱいだった。
そしてこの後、何が待ち構えているのか考えるだけでゾクゾクしてしまっていた。
そう由里はさっきの男の一言で心を囚われてしまったのだ。
治夫は自分の車に近付くと運転席のドアにあるボタンに触れ解錠する。
ピッと音がして解錠された車の後部座席のスライドドアを開けると中に乗り込みセカンドシートの普段は畳まれている真ん中の椅子を下ろして両サイドの座席の肘掛も下げた。
そして治夫は外に立っている由里に「俺のアパートではお前を収監しておけないから護送する。乗れ。」と命じた。
由里は「はい。」と答えると車に乗り込んできた。
治夫は「ここに座れ。」と真ん中の椅子を指差して命じた。
「はい。」由里は従順に従い真ん中の椅子に座る。
「そのハンドバックは預かるぞ。」と由里に手を伸ばす。
「はい。」由里はハンドバックを治夫に手渡した。
治夫はハンドバックを助手席に放り投げると「靴を脱いで両サイドの肘掛に足を開いて乗せろ。」と命じた。
「はっはい。」由里は恥じらいを見せながも靴を脱ぎ足を開いて肘掛にのせた。