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女囚
第3章 処刑
「親父は使用人に命じて広子の死体を埋葬した。勿論他言無用を徹底してな。俺にも黙ってろと言ってたな。」
「俺は広子を殺した次の日に彼女の家に行った。親御さんにお嬢さんを殺してしまったと告白するつもりでだ。だが誰もいなかったよ。近所のおばさんが夜逃げしたと教えてくれた。広子は見捨てられたんだと俺は思ったよ。」
背中を蝋だらけにすると持っていた蝋燭の火を吹き消した。
「数ヶ月後村に妙な噂が広まった。
親父が広子を殺して埋めたという噂だった。
人の口には戸を立てられない。
ある日親父が暴漢に襲われて殺された。
俺は広子の父親が復讐したんだと思ったさ。
相手が違うけどな。
警察が来て大騒ぎたった。
ここが見つからなくて良かったよ。
親父の奴隷達はみんなどこかに行ってしまった。
次のご主人様を求めてね。
俺の母親も例外じゃなかった。
治夫ごめんね。私にはご主人様が必要なのと言ってね。
俺も町に出て下宿から高校に通ったよ。
金だけはあったからね。
俺は高校を卒業し就職した。
そして風の噂にこの村が廃村になったと聞いた。」
話終わるとハンドルを回して台を下ろした。
蝋燭を並べた板を引っ張って由里の下から引きずり出すと蝋燭を消していく。
背中は蝋だらけにされ火で炙られた前面は真っ赤になっていた。
おそらく軽い火傷を負っているだろう。
治夫はまたハンドルを回して台で由里の身体を支えた。
台が身体に触れると痛みを感じ「うっ。」と呻く。
「火傷したか。」と高笑いの治夫。
四肢の石の台も元に戻すと由里の縄を解いた。
由里が動くと背中に垂らされた蝋がバラバラ下に落ちる。
この人は私と一緒なんだと由里は思っていた。
この人は拷問の果てに私を殺したいと願ってる。
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