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女囚
第3章 処刑
そこは外に通じている扉だった。
外はそろそろ夕暮れが近付いていたがまだ日差しが強い。
屋敷は崖の際に立っていたのだ。
2人が出てきた先は裏庭だった。
そこには小川が流れ水車が設置されていた。
「廃村になったと噂を聞いた俺は屋敷の様子を見にきた。屋敷はボロボロになってたよ。俺は週末になるとここにきて屋敷を修理し始めた。お前の様な変態をここで拷問する妄想をしながら。」と話す治夫。
水車の側には墓石があった。
「これが広子の墓だ。」治夫が手を合わせる。
その横には大きな穴が掘られていた。
かなり以前に掘られた様に見える。
「うちの使用人が掘ったんだよ。」穴を見つめている由里に気が付き治夫が言う。
「俺がまた誰かを殺すと思ってたみたいだな。」と続ける。
「お前を埋めてやろうか。」と由里の目を真っ直ぐ見ながら治夫が言う。
その目は狂気を宿していた。
由里の背中にゾクッと寒いものが走る。
由里は何も答えられない。
その反面興奮を感じてもいた。
生き埋めもいいかも。とその時由里は考えていたからだ。
水車は動いていなかった。
水車の手前に桟橋の様に板が渡してある。
水車には鉄パイプが側面から2本突き刺してあるのが見える
その2本の鉄パイプは水車の中心に対して垂直に並んでいた。
その2本の鉄パイプにはやはり直角に短い鉄パイプが4本取り付けてあった。
奥の鉄パイプはしっかり水車に固定してあったが手前の鉄パイプは距離を変えられる様に水車の側面に溝が刻まれていた。
そして足元の高さ位に同じ様に鉄パイプがもう1セット水車に取り付けられている。
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