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微妙なお年頃
第4章 ・・こない
文子のその言葉の意味が、すぐには理解できなかった。
そのコズエの無防備な表情に、文子の目がギラリと光った。
「使うって、なにをよ?あ、もしかしてヘンな道具とかいうんじゃないでしょね?
 そんなことするわけないでしょ!」
若い頃だってその手のグッズを使ったことないのに、と少しムッとするコズエであったが、
その態度に今度は文子がむっとした。
「何言ってんのよ、違うわよ!真面目に聞いてるの、ゴム、コンドーム、
 使ってるかどうか」
語尾がひそやかにしぼんでいく。大きな声じゃ言えないけれど、確かに重要な事だ。
だが、それが重要な事だと、コズエが気づいたのは今、だった。
文子に言われるまで、その名を口にすることも思い浮かべることもなかった。

え?使ってないよ‥え?ダメ?…

初めから・・使っていない。
だって、50超えてるんだから、避妊しなくても大丈夫でしょ?・・・

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