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微妙なお年頃
第1章 中年女子の浮気事情
*
コズエの通うスポーツクラブのインストラクターである拓哉は、中年女性に人気がある。
顔立ちは、そんなにパッとしているわけではないのだが、とにかく体の動きがしなやか。
指導する時に、さりげなくそれでいてしっかりと腕を回して体を支えてくれたり、
動きを手助けしたりして、思わず人目をはばからず体を預けたくなってしまうと
評判なのだ。
彼の腕に何度も体を預けているうちに、その感触をじかに味わってみたいと、
コズエは妄想するようになった。でも・・
彼は若い。私のような中年女を相手にするわけないか…
だがそんな不安はただの取り越し苦労で、
まさか妄想が現実になるとは夢にも思わなかった。
なんと彼もまた、コズエに興味を抱いていたというのだから驚きだ、と
まるで人ごとのように感心した。
歳よりは若く見られる。40代にみられることもしばしば。
そのうえそこそこのプロポーションには贅沢すぎる豊かな胸が、
男の目を引き付けたらしい。
年齢差に引け目を感じながらもコズエは冗談交じりに誘ってみるとなんと、
喜んで、と食事の誘いを快諾してくれたのだった。
まるで夢でも見ているみたい!
大袈裟かもしれないが、50を超えている中年女の誘いに20歳も年下の
若い男が乗って来たなんて、本当に夢のようだと息を弾ませた。
コズエは浮かれに浮かれた。