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揺れる世界の秘め事
第17章 彼のお家
「ん?なに?」
「いやぁ、普通に見向きもされてなかった気がしたけど…会社での俺もカッコイイと思われてたんすね?」

「…っ……まぁ、仕事のできる頼れる後輩なのは間違いないわよね…」

少し気恥ずかしくて目を逸らすと、
目の前から嬉しそうに弾んだ声が聞こえる。

「まぁ、了解です!秘蜜にしてた方が萌えますしねっ?…ん、ごちそうさまでした!」
「…っ!もうっ、…ごちそうさま!」

ニヤッと笑う純平くんを軽く睨んでから、食べ終わった食器をまとめて流しに置き、どうしたものかとキョロキョロと視線を泳がせる。

「食器はあとで洗うとして…って、あれ、純平くん?」
寝室の方へ消えた純平くんが自分の着替えを二つ分持って戻ってきたので首をかしげる。…なんで2着?

「え?…あぁ。麻美さんも入るっしょ?」

さも当然といった口調で私の背中を脱衣所のほうへ押そうとする純平くんに流されそうになりつつも、首をかしげる。

「…え?私、もう少ししたら帰るよね?」
お風呂までいただいちゃうと帰れる雰囲気を逃しそうで、少し渋る。
「でも麻美さん、そのまんまだと気持ち悪いんじゃ?」
「ん…まぁ…そうだけど…」

確かに一応と穿きなおした下着はすでに透けるほどの蜜で濡れていて、さらにはベッドでの後始末も不十分なままだから結構気持ち悪かったりする。

「ね?それに発情してる匂いって結構わかるもんだし。さっと身体流すだけでも気持ち良いっしょ?帰りに他のヤロー誘う予定ないだろ?」

ニッコリとストレートに言われダメージを喰らう。発情って…!ケモノみたいな言われに恥ずかしくて顔が赤くなる。

「……じゃぁっ…シャワー…借りる!」
少し悔しくて荒っぽく言うと「お風呂もどうぞー」と暢気な声で返され、さらに悔しさが増した。
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