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揺れる世界の秘め事
第5章 最寄り駅、帰宅。
「本当に大丈夫ですか?」
まだ疑いと心配の混ざった顔で見つめられ、
困ったように笑い返す。
「うん、平気よ。ほら…っとと」
足に力を入れて立ち上がる…予定が、
グラリと体が揺れる。
そのまま地面に崩れ落ちそうになったが
とっさに有馬くんが支えてくれる。
「…大丈夫じゃなさそうっすね」
「……へ、平気よ…」
顔をあげられずそっぽを向く。
悔しさと恥ずかしさとで顔はたぶん真っ赤だ。
「…まぁ、そんな強がりの麻美さんもイイけど」
そうサラリと言われ硬直する。
「は、も、もう!先輩からかわないでよ!」
「からかってねぇっすよ…っと肩かしましょうか?」
「だ、大丈夫!」
半ばムキになって有馬君の腕を離れ歩こうとする。
が、
数歩あるいてへたりこんでしまう。
腰が抜けているみたいで
腕の力だけじゃ立ち上がれない。
「な、なんでぇ…!?」
「なんでっすかねー…筋肉が疲れたって悲鳴でもあげてるとか?
いつもそんなに高いヒール穿いてますしー」
ケタケタと笑われ悔しさで唇が震える。
かつかつと目の前まで歩くと背を向けたまま有馬君にしゃがまれる。
「ほら」
「え…!?」
たじろぐとため息を吐かれる。
「お姫様抱っことどっちがいいですか?」
「どっちも…ちょっと…やだ」
嘘…少しだけ憧れる…。
そんな心情を覗かれたのか、クク、と笑い
「……めんどくせー…」
と零される。
「ちょっ」
「んな高けぇヒールで何度もこけたら絶対足怪我するし、
大人しく負ぶさった方がいいと俺は思うよ?うん」
くすくすと笑いを堪えながら有馬君が言う。
全くもってその通りだし、
心配してもらうのはちょっと嬉しい。
照れ隠しと苦笑いが混じる。
「性格…悪いのね…」
でもそれならば理由になる…のだろうか…
「知らなかった?もうオフの時間なんだよ…っと」
真っ赤になった顔を見られないように、
そっと首に腕をまわす。
まだ疑いと心配の混ざった顔で見つめられ、
困ったように笑い返す。
「うん、平気よ。ほら…っとと」
足に力を入れて立ち上がる…予定が、
グラリと体が揺れる。
そのまま地面に崩れ落ちそうになったが
とっさに有馬くんが支えてくれる。
「…大丈夫じゃなさそうっすね」
「……へ、平気よ…」
顔をあげられずそっぽを向く。
悔しさと恥ずかしさとで顔はたぶん真っ赤だ。
「…まぁ、そんな強がりの麻美さんもイイけど」
そうサラリと言われ硬直する。
「は、も、もう!先輩からかわないでよ!」
「からかってねぇっすよ…っと肩かしましょうか?」
「だ、大丈夫!」
半ばムキになって有馬君の腕を離れ歩こうとする。
が、
数歩あるいてへたりこんでしまう。
腰が抜けているみたいで
腕の力だけじゃ立ち上がれない。
「な、なんでぇ…!?」
「なんでっすかねー…筋肉が疲れたって悲鳴でもあげてるとか?
いつもそんなに高いヒール穿いてますしー」
ケタケタと笑われ悔しさで唇が震える。
かつかつと目の前まで歩くと背を向けたまま有馬君にしゃがまれる。
「ほら」
「え…!?」
たじろぐとため息を吐かれる。
「お姫様抱っことどっちがいいですか?」
「どっちも…ちょっと…やだ」
嘘…少しだけ憧れる…。
そんな心情を覗かれたのか、クク、と笑い
「……めんどくせー…」
と零される。
「ちょっ」
「んな高けぇヒールで何度もこけたら絶対足怪我するし、
大人しく負ぶさった方がいいと俺は思うよ?うん」
くすくすと笑いを堪えながら有馬君が言う。
全くもってその通りだし、
心配してもらうのはちょっと嬉しい。
照れ隠しと苦笑いが混じる。
「性格…悪いのね…」
でもそれならば理由になる…のだろうか…
「知らなかった?もうオフの時間なんだよ…っと」
真っ赤になった顔を見られないように、
そっと首に腕をまわす。