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揺れる世界の秘め事
第6章 夜が明けるまで
「まぁ、仕方ないし。このまま泊まってっていいわよ」
そう言うと有馬君が少し驚いた顔をする。
「え…いいんすか?」
こちらとしてはその反応の方が意外で、
こちらも動揺をしてしまう。
「ま、まぁ、変なことはしないなら、いいわよ」
こんな時間だし…と一言付け足す。
「まぁ…なら、ありがたく泊まります」
「…ん」
時間も時間だしご飯を用意するわけにもいかないし。
ああでも服だけは用意したほうがいいのかな…
「んー、男物の服ってあったかな…」
タンスの中を簡単に探す。
「あぁ、いや、このままでも寝れるから」
「えぇ…でもなぁ…ああ、あった」
男物のLサイズのTシャツが一枚。
ズボンも夜用のパジャマ…スウェットならいけるかな…とそちらも用意する。
はい。と手渡すと複雑そうな顔をされる。
「いや、なんであんの」
「…ああ、デザインに惚れたのと…寝るとき楽でしょ?」
そもそも面倒な時は男物Tシャツに下着のみで寝てしまうから…
とは黙っておこう。
私の答えを聞いてぽかん、と口をあける。
「…まぁ…確かに……彼氏のとかじゃねぇのな…?」
「だから…いないってば…」
少しムっとなりつつ答える。
「そ、そっか。よかった」
あきらかに上機嫌な声で返され、
嬉しいような不満なような何ともいえない気持ちになる。
な、何もよくないんだけどね…!?
「…も、もう、さっさと着替えてきて」
「はいっ」
満面の笑みを浮かべてから着替えに向かっていく。