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揺れる世界の秘め事
第10章 秋空のフェスティバル
「あー…んー…俺も別に麻美さんと
いられりゃどこだってかまわねぇし…」

少し赤くなった頬を隠すようにそっぽを向いて小さな声で言われ、
ドキリと心臓が鳴る。
「あ、ありがとう…なのかな」
つられたように頬が赤くなり、廊下で立ち止まる。

こんな空気…耐えられないかも…っ
2人きりって、なんか緊張する…
…いつもはどうしてたっけ、なんだか、なんだか、
高校生に戻ったみたいに慌ててしまう。

そんな空気を受け取ったのか有馬君も慌てだす。
「あ、あー…まぁ、道の邪魔だし…大学か上の階か、回る?」
有馬君が左手を差し出す。
「う、うん。そう、だよね、い、行こうかっ」
そうっとその手に自分の右手を重ねて、
お互い真っ赤になりながら歩いていく。

「なんか、高校生に戻った気分」
ふふ、と笑うと有馬君も「俺も」と一言笑いながら言う。

「有馬君て高校の時どんな子だったの?」
ふと思った疑問を口にする。

「ん?んー、適当な感じだったかな?今とそんなかわんねぇ?」
「そっか。…ふふ、こういうイベント事すごく好きそう」
「あー、まぁ。でもあの時なんかメじゃねぇ位今の方が楽しい」

今?…会社勤めてる事が?と浮かんだがすぐに「たぶん違う事考えてるし」と苦笑される。
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