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揺れる世界の秘め事
第10章 秋空のフェスティバル
「文化祭って意味。今麻美さんと一緒に歩いてる方が楽しいって、言ってんの」
気付けよなぁ…と一言呟いてから前を向く有馬君に腕を引かれたまま、
真っ赤の顔を俯かせて歩く。
「わ、私も…今、すごいドキドキしてて…楽しいよ」
校舎の力ってすごいんだなぁ、と思った。
社会人になって三年目。
普段デスクとパソコン、それと書類に睨めっこを続けていて、何時の間にかどこかへ置いて行った学生の時の心が、なんだか帰ってきたみたい。
「はは、俺、麻美さんに殺されそう。心臓もつかなぁ…」
そう言ってクラリとよろける演技をする有馬君を見て
「何言ってんの?」と笑う。
それから写真館や小さなプラネタリウム、
喫茶店で少し話しをする。
時計が一時になるのに気付き有馬君が少し早めに向かう。
一人であまりうろうろするのもなぁ…
なんて思い会場を目指して、
雑貨屋コーナーにふと立ち止まる。
手作りアクセ…かぁ…。
その教室では紐で編んだアクセサリーが売っていた。
せっかくだから今日のお礼に有馬君とリカに買おうかな…。
ああ、手作りコーナーもあるんだ…でも時間ないからなぁ…。
ちらりと見ていると中学生くらいの可愛い男の子が近づいて
「あの」と声をかけてくる。
「何か作ってみます?」
笑顔で聞かれ、少し迷う。
「えーと…二時から用事あるんだけど、大丈夫かな…?」
それなら「ストラップでよければできますよ」と返され、ひとつだけ作る事にする。
男の子が一番簡単な編み方を白と薄桃の紐で作りながら教えてくれる。
気付けよなぁ…と一言呟いてから前を向く有馬君に腕を引かれたまま、
真っ赤の顔を俯かせて歩く。
「わ、私も…今、すごいドキドキしてて…楽しいよ」
校舎の力ってすごいんだなぁ、と思った。
社会人になって三年目。
普段デスクとパソコン、それと書類に睨めっこを続けていて、何時の間にかどこかへ置いて行った学生の時の心が、なんだか帰ってきたみたい。
「はは、俺、麻美さんに殺されそう。心臓もつかなぁ…」
そう言ってクラリとよろける演技をする有馬君を見て
「何言ってんの?」と笑う。
それから写真館や小さなプラネタリウム、
喫茶店で少し話しをする。
時計が一時になるのに気付き有馬君が少し早めに向かう。
一人であまりうろうろするのもなぁ…
なんて思い会場を目指して、
雑貨屋コーナーにふと立ち止まる。
手作りアクセ…かぁ…。
その教室では紐で編んだアクセサリーが売っていた。
せっかくだから今日のお礼に有馬君とリカに買おうかな…。
ああ、手作りコーナーもあるんだ…でも時間ないからなぁ…。
ちらりと見ていると中学生くらいの可愛い男の子が近づいて
「あの」と声をかけてくる。
「何か作ってみます?」
笑顔で聞かれ、少し迷う。
「えーと…二時から用事あるんだけど、大丈夫かな…?」
それなら「ストラップでよければできますよ」と返され、ひとつだけ作る事にする。
男の子が一番簡単な編み方を白と薄桃の紐で作りながら教えてくれる。