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揺れる世界の秘め事
第11章 彼の秘密と答え合わせ
「そうなんだ…ああ、そうだ…えっと…今日誘ってもらったお礼っていうか…」

そういうと疑問符を頭に浮かべたようにテーブルから頭を放し、座りなおす有馬君。

ミサンガを思い出した私は別れる前に渡しておこうと
カバンからおみやげ袋を取り出し、
小さなビニール袋の中身をテーブルに出す。

パサパサと小さいギンガムチェック柄の包装紙をテーブルに出す。
オレンジのテープがついた方を有馬君に渡して、もうひとつあったピンクのテープの方を手前に持ってくる。
「ん、なに?」
お礼なんていらねーのに、
といいつつうれしそうに包装紙からテープを外し中身を出す。中身はテープと同じオレンジのミサンガ。

「お、すげぇ。可愛い。ありがとう、麻美さん。大切にする」
「う、うん。喜んでもらえてよかった」
素直に喜ぶ有馬君を見て、少しだけ目を伏せる。
そんな小さな行動もすぐに見破られてしまい、「そっちは何?」とまた疑問符で尋ねられる。

「あ…あぁ、こっち…も…ミサンガ…なんだけど」
カサリと包装紙から自分に買ったミサンガを見せる。
「ぁ…えーと…まぁ、可愛いかなって思って」
少し恥ずかしくてすぐ袋へ戻そうとすると「待って」と手首ごと止められる。

「そっちも可愛い。麻美さんと俺の色、
どっちも入ってるって……お揃いって、思っていいのか?」
有馬君の艶っぽい瞳に見つめられ、咄嗟に逸らせなくてコクリと頷く。
それを見て嬉しそうに笑う彼の笑顔を見れなかった。
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