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揺れる世界の秘め事
第11章 彼の秘密と答え合わせ
わかってる。
お揃いだとか、私の方のミサンガの柄とか、有馬君の影響があって、私が少なくとも彼に後輩だとか、友人だとか、そんな言葉じゃ足りないくらいの感情がある。

…ん、だけど……。
それを伝えるよりも、今日浮かんでしまった疑問と、違和感をどうするかが問題で、それによってはきっとこの気持ちの事も考え直す必要とか…色々ある。

そんな微妙な事を考えてる私をじっと有馬君が見つめていた事に気付いて、目を合わせると有馬君が苦笑する。
少しの沈黙の後、小さなため息をついた有馬君が苦い顔で口を開く。
「……麻美さん、俺に聞きたいことがあるんでしょ?」
…核心を突く様に聞かれて、ビクッと震えてしまった。

これだけオーバーな反応してしまい、
誤魔化す事もできないと思って、
ゆっくりと頷く。

きっかけをもらった事に感謝半分、だったらそっちから話してほしいとか、いろんな気持ちがグルグル混ざった思いが半分…。

「……あの…有馬君と一緒に帰らない日に…時折、その、私に電車で…変な事って言うか、色々する人、が、いて、ね……」
出だしから緊張で震えていた声をなんとか振り絞って続ける。
違うのなら、違ったでいいし…だったらきっとすごく心配してくれる。
その願いも込めて、少しずつ言葉を選びながら出していく。

「それ、を、してたのは…有馬君…君なの…?」
彼を見る事もできなくて、テーブルをじっと見つめながら問う。

長い、沈黙が流れて、
有馬君が私の顔を彼の方へ向けさせられて、
視線がぶつかる。

ゆっくり、しっかりとした彼の呼吸の音が聞こえてから

「…うん…俺、だよ…」

と苦く笑う。
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