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第11章 彼の秘密と答え合わせ

「…なんだか、触り方とか、そういうので、
好きって…言われてるみたいで…嫌じゃ…なかったの……」

そう、嫌じゃなかった。

だから困った。
心は有馬君に揺れているのに、
体は知らない男に弄ばれて悦ぶ。

そんな自分が嫌で、どうしようもなくて、でも。

「だ、だから…」

何時の間にか有馬君の裾を掴んで、
彼と視線を交える。

潤んだ私の瞳はきっと、さっきの涙と意味が変わっていて。

「嫌じゃ…無かったから……相手が、有馬君だって知って、ホッとして、他の人じゃなくて、よかったって、それで…っ」

言葉が終わる前に唇をふさがれる。

少し強引で、噛み付くようなキスに思考が止まる。

「んん…っ…ふっ」

くぐもった声を上げ、ビリビリする脳がわけわからなくて、気持ちよくて、必死に口の中で暴れる有馬君の舌に自分のそれを重ねて、絡める。

「んっ…ふっ…ぁっ」

まだどこにも触れられていないのに犯されてるみたいにゾクゾクとした感覚がずっと止まらなくて、腰が砕ける。

「んんっ…ぅ…ぁっ」

もうダメと拒否しようと有馬君の胸板をポカポカ叩くけど、その腕すら片手でひとくくりにされてしまい、任せるまま彼のくちづけに溺れる。

「ぁ、…だ…めっ、も、んんっ…」

息継ぎすらできなくなってしまい、
必死に唇から逃れると、目の前にある有馬君の艶めいた唇を彼の舌が舐める。

その色っぽい行動を目の前で見てぞくん、と体が震える。