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揺れる世界の秘め事
第12章 家まで、待てない…
「…ね…有馬君の家は…?」
有馬君の言葉に心が温かくなり、とくんと胸が鳴く。

欲情した瞳と、私の頭に触れている手の温度を身体が貪欲に求めてしまう。

「俺の家も2つ駅違うだけだし……」

それまで耐えられるかなんてもう愚問だった。

このままだと電車の中で最後までしてしまう。
そんな恐ろしい事も、有馬君だったら…と受け入れてしまいそうになる思考を止める。

それだけ溺れてるってことなんだろうケド…
それはそれで恥ずかしいし、悔しい。

互いの家まで待てない、なんてなるともう選択肢は一つだけで、
互いに照れくさそうに笑って『行こうか』と口をそろえた。

駅のすぐそばにある裏通りへ入っていくと歩いてる人の濃厚な空気がする。肩を寄せ合う男女。中には待てずに深いキスをしている人もいて…。恥ずかしくて目を逸らす。

一番近くのホテルへ入り、少しだけ待っていると有馬君が登録を済ませてくれて、それに感謝しつつエレベーターに乗る。

目的の階についてからは有馬君に腕を引かれるように一室へ入り込む。
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