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揺れる世界の秘め事
第13章 事情後のベッド
今思うと付き合うって単語も似合わないみたいな雰囲気があって、かと言っても肉体関係もなかった。
随分奇妙な関係だったんだなぁ…とも思う。

「で…別れる前、高2の初夏くらいに一度だけした…というか、されたと言うか。付き合ってるし、こんだけ待ったんだしいいだろって。好きって感情ももともと無かったからすごく気持ち悪くて。濡れないし痛いしでも相手すごい興奮してるし。抵抗しても逃げれないからほぼ無理やりみたいな」

他人事のように思い浮かべると随分最低な話なんだな…と思った。
その時は付き合ってるから仕方ないと投げやりに事実を受け入れた。

「…最低だな、その男」低くくぐもった声で言われ、少しだけ嬉しくなる。

自分を真剣に思ってくれる人の存在に心が温かくなる。
…あの時リカにも殴られたけど。

「…あはは、断れなかったのも悪いけどね。でその後すぐ逃げるように別れたの。
それからは、誰とも関係なし。だったんだけど」

シーツを見るとうっすらと血のついた部分があって、やっぱり…と小さく息を吐く。

「…残ってたんだね…」
「あぁ、うん。感じた」

へへ、と嬉しそうに笑われるのでなんとも言えなくてこくんと頷く。ハジメテも同然だし…そもそも純平くんのとじゃサイズが少なくとも倍は違うわけで…。

「ほんと、凶器だよね…」
心で思ったことが口に出てしまい、
しまったと思うと「そらどうも」と笑われる。
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