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揺れる世界の秘め事
第13章 事情後のベッド
わ、忘れては、いなかった、ん、だけど…。
と、言うか記憶力いいなぁ、私一言一句同じことを言ったと思う。
「覚えてたよ…、咄嗟に名刺渡しちゃって大丈夫だったかって不安もあったし。で、でも!その時の純平くん雰囲気随分違ったし、髪の毛オレンジで目も緑とかじゃなかった?結構年上だと思っちゃってたし、もう会うこともないだろうなぁ…って…」
そう自信なさげに言うと「ぁ…あー…確かに」と純平くんが納得する。
「麻美さんに会ってから女関係とか変えたんだわ」
それが裏目にでたか…とばかりに大きくため息をつかれて少しだけ申し訳無くなる。
「そっか、じゃぁ仕方ねぇ…かぁ……で、もらった名刺に連絡かけるかめちゃくちゃ迷ったんだけど俺真面目に恋愛したことも、そもそも告白すらしたことなかったからどうしたらいいかわからねぇし。…で、名刺の会社調べたら募集あったんで受けて感動の再会?なんつって」
恥ずかしそうに笑う純平くんに嬉しさと困惑が混ざる。
「え。ちょっとまって、まさか追っかけてきたの?私を?純平くんが?…正気、というかそんな理由でよかったの??」
眉間に皺を寄せて唸りながら問う。
言われた言葉が信じられなくて。
「うっわひっでぇ言い方…もともと進路とかどうでも良かったからちょうど良かったし。大学なんかより麻美さんに会えることのほうが大きいし。むしろ麻美さんに男いたらとか会社辞めてたらとかの不安の方が多かったな。うん」
迷いもなく言われて噴出す。
「ふふ、そっか…うん、すごい嬉しい…また会えたのも、こうやって触れ合えるのも、一緒に居られるのも……追ってきてくれて、ありがとう」
くるりと純平くんに向きなおして私からぎゅっと抱きしめる。
こんなに愛されてて、幸せで死んじゃいそうなくらい嬉しくて、涙もとまらない。
「ん、まぁ。こちらこそ…っつーか…なんつーか。
俺さすがにすげぇ重いなって自覚してるし…嫌だったり迷惑じゃなければ…」
自信なさそうに言われるのですぐふるふると首を振る。
「全然、嬉しい。…愛してる…もん…」
恥ずかしくてどんどん声が小さくなる。
お互い顔は真っ赤で恥ずかしくて顔が見れない。
「俺も…っつか、もうこの空気たえらんねぇ……」
「う、うん……」