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第14章 まだ、寝かせない。

そっと視線を向けられて唇にキスが振ってくる。

「……ん…」

啄ばむように何度も何度も優しく唇が触れ合う。
何度しても純平くんとのキスは慣れないけど…気持ちいい…
思考も何もかも取っ払ってただただ本能のような所で唇を求め合う。
脳を溶かすような深いのも好きだけど…ただただ触れ合うのも好き。
気持ちよさに浸りたくなるような気分になって、少しだけ唇を開くと純平くんの舌が口の中にもぐりこんでくる。

「んぅ…」

優しく舌で触れ合うようなキスに変えられて、ぎこちなくでも純平くんに応える。
すると徐々に絡み合う速度が速く深くなっていく。
…私に合わせてるのかもしれないけど…純平くんのキス、やっぱりすごく好き。
ゆっくりと濃厚で確実に熱を持たせてその気にさせるキス。
他のことを考える隙なんてひとつもなくして、私が順平君を求めるまでずっと焦らすみたいに続けられる。
上手に息継ぎができなくなって、頭がとろとろになるまで。

「ん…ぅ…ふっ…」

心臓がドクドクとすごい速度で動き出して、息がつまるけど、離れたくなくて、離したくなくて必死にかぶりつく。

「ぅ…んんっ…んむっ…ふぅ…」

必死に戻そうとするけど崩された調子は戻らなくて、結局私が耐えられなくなる。
腰を支えられたまま深すぎる口づけに耐えられず、純平くんの胸元を軽くタップすると名残惜しそうにチュ、とリップ音を立ててから離れていく。

「んんっ…ぷぁ…っ…はぁ…」

荒く呼吸をして純平くんを見つめると、クスっと笑ってから腰にあった左手が背中をゆっくりたどっていく。くすぐったさに息が漏れて身体を捩ると少し荒い息を大きく吐かれる。

「誘ってる？麻美さん」
「ゃ…ちが…ぁっ」

首を左右に振るけど熱っぽい瞳に全て見抜かれてる気がして。恥ずかしさと悔しさでじわりと身体が熱くなる。
そっと首に抱きついて、膝立ちになる。言葉では言えない…小さなおねだり。それをすぐに感じ取って、純平くんの唇が弧をえがく。