この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
揺れる世界の秘め事
第16章 お出かけデート
「悔しいけどすげぇ可愛い。買った服全部俺の家送っといて。…あとサンキュな」
「いえいえ。ジュンの頼みならこんくらい楽だし?ああでもお礼もらっとくか」
そう笑って私の腕を引っ張り、私の唇が紅葉くんの頬に当たる。
びっくりして固まる私と純平くんを眺めてものすごく楽しそうに笑った紅葉くんが、私の頬にキスを落としてから「またね、麻美ちゃん」と微笑んでさっていく。
「モミジっおま、許さねぇからな…!」
そう叫んでから純平くんが私の腕を掴んで店を出て行く。
パンプスだった私は高めのヒールに変えられているため、あまり強く引っ張られるとつらいかなぁ…なんて思いつつ苦笑する。
「純平くん、お茶しましょ?」
お店を出てからすぐ近くに喫茶店があるのに気付いてくん、と服をひっぱる。
「……ん」
むっとしたままの純平くんが頷いて喫茶店に入っていく。
紅葉君のせいで変な問題起きちゃってるし…
喫茶店の窓側の開いてる席へ座る。
店員さんにカフェオレとブラックを頼んでから純平くんを見つめる。
頬杖ついて窓の外を見ている姿はかっこいい。拗ねてるけど。
「拗ねてる?」
「…別に…」
そっけなく言われてうーん…と唸る。
「…ジュンのことよろしくって言われたよ」
「……アイツ…」
もっと渋い顔になられてさらに困る。