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恋する男子に恋をした
第5章 嫉妬
「オレ、先に帰りますね!先輩、お疲れ様でした。気をつけて帰ってくださいね!」


俺は先輩に笑顔で手を振り、去り際に蜂屋を睨んでから帰った。ちょっと速歩きで歩くのは、早く家に帰りたいから。ただそれだけ!!

元々俺の気持ちが通じるなんて思ってなかったけど、こんな形で否定されるのは辛過ぎる。


ふと振り返っても、車一つ通っていない。


蜂屋が追って来るはず無いのに、スクーターの音がしないかと聞き耳を立てる自分がいる。

追って来ないんじゃなくて、俺が帰るのが早いんだって思いたくて途中から走っていた。


「っ最悪!!」


早く家に帰りたかったのは、弱い俺が……泣きたかったからだ。

ヒックヒックと嗚咽を吐きながら玄関に立ち尽くして泣くなんて、どんだけ乙女だよって自分につっこむけど、だからって止まるわけの無い涙を流し続けた。


翌日はだるーいだるーい月曜日。
泣いたせいでちょっと頭も痛い。
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