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恋する男子に恋をした
第8章 おまけ(2) 初温泉
「……ん、……ちゃん」


愛しい人の声がする。
まだ目が覚めない俺は、少し震えながら小さく丸まったまま言った。


「蜂屋……もどって……戻って来い」


願えば叶う……
そう思ってるわけじゃないけど、帰って来ない人のためにご飯を用意しておくと帰ってくるみたいなジンクスがあったような。

俺も十分乙女ちっくだけど、なんならお百度参りしてでも蜂屋を取り戻したい。


「オーちゃんってば!!」



グワングワン揺さぶられて目を覚ますと、蜂屋がいて嬉しくて泣いてしまった。



「おかえり」


そう言って手を伸ばし、蜂屋に触れた。



「オーちゃん、冷たい。風邪引くよ?!……唇の色も悪いよ!!いつからいたの?!」


「……ずっと」


ずっと……全部を用意して、あとは蜂屋が来るまでって、玄関で待ってたんだ。


「……ずっとって、今10時だよ?!」


「……そっか、あぁ、メリークリスマス」


俺がそう言うと、蜂屋は部屋を見わたしてから俺の頬に手を伸ばし苦笑していた。


「待ってた?」


「……当たり前だろ?待たせすぎなんだよ。俺の思いを思い知れ」


俺は蜂屋を引き寄せてキスをした。

俺は……片思いなのかな?
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