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恋する男子に恋をした
第3章 印
『俺を嫌いじゃねーだろ』


この言葉は、まるで俺が蜂屋を好きだって気づいている口ぶりで、自分でもさっき思い知ったのに、そんなはずは無いと胸を押さえた。


おかしいくらいにドキドキしているのは、走ったせいなのか、蜂屋を思ってなのかも分からないくらい混乱していた。


俺はゲイでは無い。


ちゃんと女の子が好きだったし、女の子と付き合ってきた。同性を好きだと思った事は一度だって無かったのに、こうして今は蜂屋を思っている。


身体の関係を持ったから?
俺を「美咲」と読んで組み敷かれたから?


体験のなさすぎる事が一気に起こり過ぎて、おかしくなったのかも。

少し冷静になって落ち着けば、勘違いだってオチもあるかもしれない。


言い聞かせる様に部屋に入り、水を一杯飲み干して大きく息を吸った。
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