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昼想夜夢~君、想ふ~
第6章 指先
男の部屋に一人で来て、何もないとでも思ったのだろうか?
そういうところが鈍いっつーんだよ。

「男の部屋に一人で来て、無事に帰れるとでも…」
「ま…君…」




――――――っ!



真っ暗な寝室。
灯りと言えば、隣のリビングから差し込んで来る電気の光のみ。
ゆっくりと照らし出される彩花の顔。
瞳に涙を溜めながら怯える彩花の唇から零れたのは、俺ではなく北条の名前。

「お前…」
「い、嫌だ…、まー君…」





まー君…。
それは、北条の名前だ。
彩花はいつもそうやって呼んでるんだよな…。




あー…、何だろう…。
無性にイライラする…。
彩花の唇が北条の名前を紡ぐたびに、頭の中に不快感が広がる。
胸を焼鏝で焼かれたように熱くなる。

こんなことになって、彩花が北条に助けを乞うのはわかるが…
ここにいない北条の名前を呼ぶなんて…。

北条の名前を呼ばれて、俺の頭は冷静になるどころか
我を忘れてしまいそうになる。


彩花は…、俺にムリヤリ奪われても、まだそうやって北条の名前を呼ぶのか?
俺に押し倒されてるのに、目の前にいるのは俺なのに
ここにいない北条にすがるのかっ!?

「―――――っ!!」




俺はゆっくりと、ジーンズの後ろのポケットに手を伸ばした。
こんなもの…、本当は使いたくなかったが
彩花が悪いんだ…。
彩花がいつまでも、北条の名前を呼ぶから…。




ポケットから取り出した「それ」。
俺はそれを彩花の目の届く所へと持って行った。





カチカチカチカチ…。

機械のような音を立てながら鋭く光るそれ。

「ひっ…」
「いつまでも、北条の名前ばっかり呼んでんじゃねぇよ…っ」

光に照らされたそれの正体…。
どうやら彩花もそれの正体に気づいたようだ。

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