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昼想夜夢~君、想ふ~
第2章 記憶
北条の彼女かー…。
北条に似て馴れ馴れしい系か、それともまだまだ子供な北条をグイグイ引っ張って行く姉貴系か。
どちらにせよ、後輩の彼女に会うなんて事は初めてだ。

失礼がないように、また北条に恥をかかせないように慎重にならなくては。
つーか、仕事帰りのプライベートだと言うのに、緊張してしまって全然気が休まらん…。

さっきから酒が進まなくなってしまった俺を見て、北条は

「小川さーん。どうしました?ビール進んでないッスよ?」

能天気に俺のビールの進み具合を心配して来やがった。
自分はビールを飲み干しさっさとおかわりの注文まで。
誰のせいで心が休まらんと思ってんだ、こいつは…っ。

「あ、あのなぁ…、後輩の彼女に会うんだから、泥酔するわけにはいかんだろう…」
「えー、別に結婚式の仲人じゃないんスから気楽に行きましょうよ~」

…こいつというやつは、本当に。

はぁ、と呆れていると、





―――――タッ,タッ,タッ…。


廊下を小走りに走る足音が聞こえた。
それは、店員の足音とは違うものだった。



ん?もしかして、もう到着したのか?
北条の彼女…。

すると、俺の勘は的中。
北条の耳にも廊下を小走りに走る足音が聞こえたのだろう。
身を乗り出して廊下を確認する北条。

そして



「あー、早かったな。こっちこっち!」

廊下に向かって大声を出し手招きをしている。
足音の主をこちらに呼んでるようだ。
と、いうことは、とうとう北条の彼女のお出ましか。

「ごめーん。待ったー?」

廊下に響く女性の声。
あー、今更ながら緊張して来た…。


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