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昼想夜夢~君、想ふ~
第9章 臨界点
しかし、北条の奴
随分と口調を荒げてるが、彩花と喧嘩してるんだろうか?
あの温厚な北条が珍しいな。
ま、北条だって普通の人間だ。
先輩や上司の前ではニコニコしてたって、気の許せる相手には素を見せてるんだろう。

俺とは違う。
俺は彩花に素を見せる訳にはいかない。
彩花だって、もう2度と俺に笑いかけてはくれないだろう。

今更気づいたこの気持ちの行き場を持て余し、彩花に連絡すら出来ていないのだから。
北条とは違って、俺には彩花を縛り付ける理由付けが必要なんだから。



―――「あれ、小川さん?」

「えっ?…あ、あぁっ!」



考え込んでいた矢先に聞こえた北条の声。

ふっと顔を上げると、いつの間にか電話を終えた北条が階段を昇り俺の隣に立っていた。

うわっ、やべ…っ!
つーか、いつの間に電話切ってたんだよ!
考え事をしていたせいで全然気づかなかった…。
盗み聞きしてたってバレてねぇよな…?

「な、何してんスか、ここで」
「あ、いや…」

何か…、何か適当な言い訳を…

「ト、トイレに行こうとしてたんだよ」
「は?トイレって反対側じゃ…」
「こ、ここのフロアのトイレが込み合ってて、下の階のトイレに行こうとしたんだよ。そしたら、お前が…っ」

盗み聞きをし、嘘をついてる罪悪感からか北条の顔がまともに見れない。
壁にもたれながら腕を組み、然も偶然居合わせてしまったかのように振る舞った。

本当は全部聞いてたけど…。

「あ…、じゃあ、今の電話、聞かれちゃいました…?」
「ま、まぁな。あんだけ大声で怒鳴ってたらな」

北条の怒鳴り声のせいにしてしまったが、本当は違う。
俺が勝手に北条の会話を盗み聞きしてしまったのだ。



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