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昼想夜夢~君、想ふ~
第9章 臨界点
こんな時間の来客。
この部屋の主には返って迷惑だ。
いや、時間的に寝てるかも知れない。
しかし、俺は震える指でチャイムを鳴らした。
―――――…。
何の応答もないが、もしかしてもう寝てるのかもな。
今日の北条との一件があって、ショックで不貞寝してるかも知れねぇな。
ここまで来て空振り。
しつこくチャイムを鳴らし安眠妨害をするわけにもいかない。
諦めようとしたその時だ。
『…はい』
「……っ!」
チャイムのスピーカーから主の声が返ってきた。
彩花の声が。
『…まー、君…?』
「……っ」
モニターが付いていれば訪問者を確認出来たんだろうけど、カメラやモニターは付いてないみたいだな。
この時間に訪ねて来るのなんて、誰だって自分の恋人だと思うだろう。
それに、日付が変われば彩花の誕生日なのだから。
「悪いな。北条じゃなくて…」
『あ…っ』
俺の声に彩花の声が恐怖と落胆に染まった。
無理もない。
こんな大切な瞬間にやって来たのが愛しい恋人じゃなくて憎々しい俺なんだから。
『な、何の用…?』
「久しぶりに会いに来てやったのに、冷てぇ女だな」
『…帰って』
今日の彩花はいつになく不機嫌だ。
いつものように声を荒げることもない。
まぁ、こんな時間に怒鳴っては近所迷惑になるだろうし、北条にドタキャンされたせいで傷ついてるのは目に見えている。
不機嫌にもなるな。
「そんな事が言える立場か?」
『はぁ?』
「この間のお前のあのムービー、今この場で上映してやってもいいんだぞ?」
それは、彩花が最後に俺の部屋に来たときに保存したあのムービーだ。
俺に抱かれ、よがり狂う彩花の姿を撮影したあのムービー。
この部屋の主には返って迷惑だ。
いや、時間的に寝てるかも知れない。
しかし、俺は震える指でチャイムを鳴らした。
―――――…。
何の応答もないが、もしかしてもう寝てるのかもな。
今日の北条との一件があって、ショックで不貞寝してるかも知れねぇな。
ここまで来て空振り。
しつこくチャイムを鳴らし安眠妨害をするわけにもいかない。
諦めようとしたその時だ。
『…はい』
「……っ!」
チャイムのスピーカーから主の声が返ってきた。
彩花の声が。
『…まー、君…?』
「……っ」
モニターが付いていれば訪問者を確認出来たんだろうけど、カメラやモニターは付いてないみたいだな。
この時間に訪ねて来るのなんて、誰だって自分の恋人だと思うだろう。
それに、日付が変われば彩花の誕生日なのだから。
「悪いな。北条じゃなくて…」
『あ…っ』
俺の声に彩花の声が恐怖と落胆に染まった。
無理もない。
こんな大切な瞬間にやって来たのが愛しい恋人じゃなくて憎々しい俺なんだから。
『な、何の用…?』
「久しぶりに会いに来てやったのに、冷てぇ女だな」
『…帰って』
今日の彩花はいつになく不機嫌だ。
いつものように声を荒げることもない。
まぁ、こんな時間に怒鳴っては近所迷惑になるだろうし、北条にドタキャンされたせいで傷ついてるのは目に見えている。
不機嫌にもなるな。
「そんな事が言える立場か?」
『はぁ?』
「この間のお前のあのムービー、今この場で上映してやってもいいんだぞ?」
それは、彩花が最後に俺の部屋に来たときに保存したあのムービーだ。
俺に抱かれ、よがり狂う彩花の姿を撮影したあのムービー。