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昼想夜夢~君、想ふ~
第9章 臨界点
「は?…は?」

花束と言っても30本ぐらいしか用意出来なかったが、彩花を驚かせるには充分だったようだ。

「何よ、こ、これ…」
「今日、北条は来れねぇんだろ?」
「え、うん…」

あまりに驚いたのか、さっきの不機嫌からは一転して、キョトンとした顔で俺の質問にもあっさりと答えてくれている。

「きゅ、急遽用意したから…、その、あんまり豪華じゃねぇけど…」

何か…、急にすっげぇ恥ずかしくなって来た。
思えば、女に花なんか送ったのは初めてだ。
しかもこんな真っ赤な薔薇。

「よ、予約とかしときゃ、もっとピンクとか白とかも用意出来たみてぇなんだけど…」

あー、俺らしくねぇな。
彩花の顔がまともに見れなくなってしまっている。

「あの、これは…」

こいつ、今日のこのタイミングが何なのかすら頭から抜け落ちちまったか?
日付が変わる瞬間にはまだ早いが、もう間が持ちそうにねぇか。
少し早いが、誰よりも早く彩花を祝える。
彩花が産まれこの日を。






「誕生日おめでとう」








我ながら、よく言えたと思った。
彩花の目は見れなかったが…
俺になんて祝われたくないだろうが…
全部俺の独りよがりだが、彩花に直接言えただけでも上出来だ。

「は、はぁ…?」

彩花は目を見開いて驚いている。
まさか俺が彩花を祝うなんて思ってなかったんだろう。

「い、いや…、あの…」
「心配しなくても、今日は何も企んでねぇよ…」

ふっと彩花の方を見ると、真っ赤に染まった彩花の瞳が目についた。
これは、薔薇の色が反射してるんじゃなくて、北条にドタキャンされてショックで泣いていたんだろうと容易に想像出来た。

「ただ、祝ってやりたかっただけだ」


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