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昼想夜夢~君、想ふ~
第10章 乱反射
「でも、今日は…――――」
「え?」
今、何時だ?
もう日付は変わったのだろうか?
時計を見る余裕なんてない。
さっきから緊張しててどれくらいの時間が経ったかもわからない。
きっと今の俺の体内時計は大幅に狂いまくってるな。
緊張のせいで一分すら一時間のように感じてる。
でも
「今日は…、彩花が産まれた日だ…」
我ながら臭い台詞だと思う。
でも、今日は、彩花がこの世に産まれてくれた日だ。
「どんな契約を取れた日よりも最高の日だ」
もう封印すると決めたはずなのに、俺と彩花の関係は変化してはいけないはずなのに。
今は、北条の顔すらちらつかない。
「……な、何よ、それ…」
「……別に。今夜ぐらいは…」
今夜ぐらいは優しくしてもいい?
いや、違う。
本当はいつだって優しくしてやりたいと思ってる。
あの頃みたいに、思い切り彩花を甘やかしてやりたいって思ってる。
でも、それは北条の役目だ。
俺じゃない。
「ほ、本当は俺じゃなくて…、北条の方がいいだろうけど」
憎い俺に祝われたって嬉しかねぇだろうな。
本当なら首に縄を付けてでもここに北条を連れて来るべきだったのかも知れない。
その方が彩花は喜んだのかも知れない。
「まぁ、今夜は俺とその花束で我慢してくれ。きっと北条も反省してそのうち―――――」
冷めて来たコーヒーを飲み干して俺はさっさと帰る事にした。
冷えた体も少しは暖まったし、彩花だってそんなに長居をさせるつもりで招き入れた訳ではないだろう。
あまり長居をしては彩花に申し訳ない。
今夜ぐらいは、何もしないで帰ってやりたい。
「あのさ、純お兄ちゃん…」
「え?」
今、何時だ?
もう日付は変わったのだろうか?
時計を見る余裕なんてない。
さっきから緊張しててどれくらいの時間が経ったかもわからない。
きっと今の俺の体内時計は大幅に狂いまくってるな。
緊張のせいで一分すら一時間のように感じてる。
でも
「今日は…、彩花が産まれた日だ…」
我ながら臭い台詞だと思う。
でも、今日は、彩花がこの世に産まれてくれた日だ。
「どんな契約を取れた日よりも最高の日だ」
もう封印すると決めたはずなのに、俺と彩花の関係は変化してはいけないはずなのに。
今は、北条の顔すらちらつかない。
「……な、何よ、それ…」
「……別に。今夜ぐらいは…」
今夜ぐらいは優しくしてもいい?
いや、違う。
本当はいつだって優しくしてやりたいと思ってる。
あの頃みたいに、思い切り彩花を甘やかしてやりたいって思ってる。
でも、それは北条の役目だ。
俺じゃない。
「ほ、本当は俺じゃなくて…、北条の方がいいだろうけど」
憎い俺に祝われたって嬉しかねぇだろうな。
本当なら首に縄を付けてでもここに北条を連れて来るべきだったのかも知れない。
その方が彩花は喜んだのかも知れない。
「まぁ、今夜は俺とその花束で我慢してくれ。きっと北条も反省してそのうち―――――」
冷めて来たコーヒーを飲み干して俺はさっさと帰る事にした。
冷えた体も少しは暖まったし、彩花だってそんなに長居をさせるつもりで招き入れた訳ではないだろう。
あまり長居をしては彩花に申し訳ない。
今夜ぐらいは、何もしないで帰ってやりたい。
「あのさ、純お兄ちゃん…」