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昼想夜夢~君、想ふ~
第10章 乱反射
「お、思ってたより仕事が早く終わったから…、顔だけでも見せに来たって…」
ふーん。
まるで俺への言い訳みたいに聞こえるが…。
別に俺に言い訳する必要なんかない。
俺は彩花の恋人でも何でもないのだから。
「それより、早く北条を迎えに行かねぇと、怪しまれるぞ?」
「う、うん…」
そう言うと、彩花は踵を返し玄関の方へと歩いて行った。
「仕事が早く終わった」ねぇ…。
俺と北条は今は別管轄の仕事だし、北条の残業内容がどんなもんかはわからねぇけど。
彩花は玄関でサンダルを履き施錠されている鍵に手を伸ばした。
鍵を開けてドアを開ければ北条に会える。
ドアを開ければ俺と鉢合わせは確実だが、北条に早く会いたい一心からか微かに手が震えてるように見えた。
「―――――っ!」
彩花の指が施錠されている鍵に触れた瞬間。
―――――ドンッ!!
「――――っ!?」
彩花の背後から伸びた俺の手。
その手は彩花を横切りドアを力強く叩いてしまった。
「な…っ」
「しっ。静かにしねぇと北条に聞こえるだろ…」
俺の腕に驚いたのか、彩花が後ろを振り返ると
そこにはリビングで待ってるはずの俺の姿。
彩花に気づかれぬよう、玄関へ急ぐ彩花の後を尾けて来たのだ。
俺が尾けてくる気配にも気づかないとは、余程早く北条に会いたかったんだな…。
「ちょっ、な…」
慌てる彩花だが、ドアの向こうからは
「彩花?どうした?何だよ、今の音」
ドアのすぐ向こうには北条がいる。
俺がドアを叩いた音が北条にも聞こえていたようだ。
「上手く誤魔化せよ…」
冷たく見下ろすその瞳に彩花の目が恐怖に染まって行く。
「あ、な、何でもない…」
震える声でドアの向こうの北条に返事をした。
これぐらいのか細い声でも北条に聞こえているということは、ドアを隔てた北条との距離はかなり近い。
ふーん。
まるで俺への言い訳みたいに聞こえるが…。
別に俺に言い訳する必要なんかない。
俺は彩花の恋人でも何でもないのだから。
「それより、早く北条を迎えに行かねぇと、怪しまれるぞ?」
「う、うん…」
そう言うと、彩花は踵を返し玄関の方へと歩いて行った。
「仕事が早く終わった」ねぇ…。
俺と北条は今は別管轄の仕事だし、北条の残業内容がどんなもんかはわからねぇけど。
彩花は玄関でサンダルを履き施錠されている鍵に手を伸ばした。
鍵を開けてドアを開ければ北条に会える。
ドアを開ければ俺と鉢合わせは確実だが、北条に早く会いたい一心からか微かに手が震えてるように見えた。
「―――――っ!」
彩花の指が施錠されている鍵に触れた瞬間。
―――――ドンッ!!
「――――っ!?」
彩花の背後から伸びた俺の手。
その手は彩花を横切りドアを力強く叩いてしまった。
「な…っ」
「しっ。静かにしねぇと北条に聞こえるだろ…」
俺の腕に驚いたのか、彩花が後ろを振り返ると
そこにはリビングで待ってるはずの俺の姿。
彩花に気づかれぬよう、玄関へ急ぐ彩花の後を尾けて来たのだ。
俺が尾けてくる気配にも気づかないとは、余程早く北条に会いたかったんだな…。
「ちょっ、な…」
慌てる彩花だが、ドアの向こうからは
「彩花?どうした?何だよ、今の音」
ドアのすぐ向こうには北条がいる。
俺がドアを叩いた音が北条にも聞こえていたようだ。
「上手く誤魔化せよ…」
冷たく見下ろすその瞳に彩花の目が恐怖に染まって行く。
「あ、な、何でもない…」
震える声でドアの向こうの北条に返事をした。
これぐらいのか細い声でも北条に聞こえているということは、ドアを隔てた北条との距離はかなり近い。