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昼想夜夢~君、想ふ~
第10章 乱反射
「は?お前、もしかして…」

まさか…?
この状況でまさかとは思うが…
いや、でも、この反応は知ってる。
彩花の体の反応なら、どんな些細な事でも見逃さない。

「この状況でイッたのか?」
「――――っ!!」


ドアを一枚隔てた数センチ向こうには北条がいたというのに。
でも、俺の指に絡み付いて来る愛液が物語ってる。

「さ、最低…っ!」

否定しないところを見ると、どうやら図星のようだ。

その事実に、俺の背筋がゾクリと震え上がった。
優越感にも似た武者震い。

「はは…っ!大好きな北条の声を聞きながら俺の指でイッたのかよ…っ!」
「……っ!」

彩花からすれば悔しいだろうなぁ。
愛しの北条はすぐそこにいたのに、オーガズムを迎えたのには他の誰でもない俺の指。
本当は北条の体でイキたかっただろうなぁ!

「最低…っ!あんたなんか――――っ」

彩花の体から少し離れただけで、彩花の体はバランスを失いその場に崩れ落ちてしまった。
ドアだけでは自分の体を支えるのは無理だったようだ。

「あ…っ」

玄関に座り込む形になってしまった。
イッたすぐじゃ、自力で立つことも出来ないか。

「最低…っ!大嫌いっ!」

何とでも言えばいい。
いつもなら傷ついてしまう罵詈雑言。
だが、今日だけはその罵詈雑言も嫌じゃない。
むしろ強がりに聞こえてしまう。
どんなに言い返しても、彩花の体はあの状況ででも素直に俺の愛撫に感じていた。
その事実は変わらない。

「何とでも言えよ…」

俺の愛撫で感じて絶頂を迎えた彩花が可愛くてたまらなかった。
俺を睨むその目付きすら今は愛しい。

脱力しきった彩花の腕を掴むと



――――ドンッ!

「痛…っ!痛い…っ!!」


両手をひと纏めにし、彩花の頭上に持ち上げ、背後にあるドアに押し付けた。
まるで貼り付けにされたみたいの体制だ。


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