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昼想夜夢~君、想ふ~
第11章 透明な悲鳴
「あ、それは大丈夫です。今週の日曜日は彩花とデートする予定なんで」
「ほぅ…」

彩花とデートか。
そう言えば、いつか北条が言ってたな。
彩花の誕生日当日は平日だから、週末に盛大に祝ってやるとか何とか。

あれだけの口を叩きながら、そこだけは律儀に守ってやるのか。
ま、それなら彩花も喜ぶだろう。
今週の日曜日、休日出勤があったとしても残業までにはならないだろう。

「彩花ちゃんの買い物に付き合ってやるのか」

尻に敷かれてる北条の姿が目に浮かぶ。
誕生日当日に彩花を傷つけた詫びとか何とか言って、荷物持ちとして振り回される北条の姿が。

いつもは生意気な北条のそんな姿を想像するだけで笑えてしま――――…。

「いえ、夜景の見えるレストランで食事でもしようかと」












――――――…っ。










夜景の見える…、レストラン…?

その単語に俺の心がざわついた。
嫌な予感が胸を染めて行く。

「夜景の見える…、レストラン?」
「はい!実はもう指輪も買っちゃったんですよ!」








指輪…、夜景の見えるレストラン…

その二つの言葉を聞けばわかってしまう。
同じ男なんだから、北条が何を考えてるかわかってしまう。










「お前、それって…」

何かの間違いであって欲しいと願った。
いや、ずっと願ってた。
そんな日が、永遠に来ないことを願っていたのに…。







「はい…、俺なりのケジメというか…」






恥ずかしそうに、でも嬉しそうな表情を見せながら
俺に決意を見せようとしている。

本当は今すぐ耳を塞ぎたい気分だ。
聞きたくない、その台詞…。







「彩花に、プロポーズしようと思ってます…っ」











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