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昼想夜夢~君、想ふ~
第11章 透明な悲鳴
「え?何ッスか?」
「そろそろ業務に戻った方がいいんじゃないのか?」
「え?」
これ以上、北条と一緒にいたくない。
これ以上、北条と彩花の当たり前の未来を聞きたくない。
それは、俺がどんなに望んでも手に入れる事が出来ない未来なんだから。
「でも、まだ時間じゃ…」
時計を見ながらキョトンとした顔でこちらを見ている。
業務が始まるまでまだまだ時間はたっぷりあるのだから。
「今のうちに業務を進めとかねぇと、日曜は休日出勤の上に残業まで重なるかも知れねぇだろ?」
「あ…、そうですよね…」
「残業になって、レストランもキャンセルする事になったら最悪だろ?」
敵に塩を送るようなことを言うつもりはなかった。
でもこうでも言わねぇと、北条はずっと話し続ける。
それに…、俺ももう一人になりたい。
頼むから…。
「あー、小川さんにはもっと他に相談したいこととかあったんですけどね」
頼むから、俺の目の前から消えてくれ…。
「プロポーズの言葉とか、ムードの作り方とか…」
電子タバコをケースに戻しながらぶつぶつ言ってるが、俺がそんな事に協力するはずがないだろう。
俺は…、北条からムリヤリ彩花を奪おうとした男なんだから。
「…悪いが、俺はそういうのが苦手なんでな」
「そうッスか?小川さんは百戦錬磨って感じがしたんですけど。あははっ」
こいつ、俺に喧嘩でも売ってんのか?
いや、北条はそんなつもりは全くないだろう。
俺が…、俺が勝手にむしゃくしゃしてるだけだ。
北条や彩花には、何の罪もない。
「じゃ、日曜の為に業務に集中します!」
早朝出勤をさせられ、誰もがウンザリするだろう仕事なのに、北条の表情はやけに晴れやかだった。
それもそうだ。
愛する彩花との未来がかかってるとなれば仕事にも精が出るし張り合いも出てくる。
それに比べて俺は…。
「そろそろ業務に戻った方がいいんじゃないのか?」
「え?」
これ以上、北条と一緒にいたくない。
これ以上、北条と彩花の当たり前の未来を聞きたくない。
それは、俺がどんなに望んでも手に入れる事が出来ない未来なんだから。
「でも、まだ時間じゃ…」
時計を見ながらキョトンとした顔でこちらを見ている。
業務が始まるまでまだまだ時間はたっぷりあるのだから。
「今のうちに業務を進めとかねぇと、日曜は休日出勤の上に残業まで重なるかも知れねぇだろ?」
「あ…、そうですよね…」
「残業になって、レストランもキャンセルする事になったら最悪だろ?」
敵に塩を送るようなことを言うつもりはなかった。
でもこうでも言わねぇと、北条はずっと話し続ける。
それに…、俺ももう一人になりたい。
頼むから…。
「あー、小川さんにはもっと他に相談したいこととかあったんですけどね」
頼むから、俺の目の前から消えてくれ…。
「プロポーズの言葉とか、ムードの作り方とか…」
電子タバコをケースに戻しながらぶつぶつ言ってるが、俺がそんな事に協力するはずがないだろう。
俺は…、北条からムリヤリ彩花を奪おうとした男なんだから。
「…悪いが、俺はそういうのが苦手なんでな」
「そうッスか?小川さんは百戦錬磨って感じがしたんですけど。あははっ」
こいつ、俺に喧嘩でも売ってんのか?
いや、北条はそんなつもりは全くないだろう。
俺が…、俺が勝手にむしゃくしゃしてるだけだ。
北条や彩花には、何の罪もない。
「じゃ、日曜の為に業務に集中します!」
早朝出勤をさせられ、誰もがウンザリするだろう仕事なのに、北条の表情はやけに晴れやかだった。
それもそうだ。
愛する彩花との未来がかかってるとなれば仕事にも精が出るし張り合いも出てくる。
それに比べて俺は…。