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昼想夜夢~君、想ふ~
第12章 雷鳴
「いやぁぁぁぁっ!!何よこれっ!は、離してよっ!!」

鎖を外そうと試みるが、頑丈な鎖はそう簡単には解けそうない。
ガチャガチャと音を立てて暴れているが、それは全て無駄に終わってしまう。

「嫌…、やだ…っ!」
「今更抵抗しても無駄だ。お前の体は全部見させて貰った」
「………っ!」


俺のその台詞に彩花の顔がカァッと赤くなり瞳には涙がたまっていく。
自分が眠ってる間に俺に好き勝手にされたと思うと、泣きたくなる気持ちもわからなくはない。

「な、何なのよ、ここ…」

そこは、薄暗くだだっ広い部屋。
コンクリートが打ち付けてあるだけの黴臭い部屋。
置いてあるものと言えば、分娩台のような椅子とマットレスだけの簡易的なベッド。

薄暗いが蛍光灯の灯りは確認出来ているので電気は通ってる。
電気だけじゃなく水道も通っているし、似つかわしくないシャワールームやトイレまで完備されている。

そして、目を覆いたくなるような妖しげな道具が壁に吊るされている。
鎖や電マや鞭や、どういう用途で使われるのかわからない道具の数々…。

一目見ただけでこの部屋の異常さがよくわかる造りになっている。

「あー…、俺の知り合いに頼んで用意してもらった部屋だ」
「は?し、知り合い…?」

営業なんて仕事をしてるといろんな職種の人間と関わる事になる。
酒を扱ってる会社の営業だし、妖しげな業界の人と接する事だってあるのだ。


「ここは、会員制のSMクラブだ…」
「な…っ!」


彩花の表情が不安に染まる。
SM…なんて自分には関係のない世界だと思っていたのだろう。
もちろん、北条にはそんな癖はないはずだし、こんな部屋に入ったのも恐らく初めてだろう。


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