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昼想夜夢~君、想ふ~
第13章 再来
彩花が北条のプロポーズを受けるも断るも、俺には関係ない。
俺がここまで怒鳴る必要はない。

いや、そもそも
これは彩花と北条の問題であって、俺が入る隙間なんかどこにもない。
最初から、俺の出る幕はないはずなのに。

「一体どういうつもりで…」
『純也お兄ちゃんには関係ない…』
「な…っ」

確かに、彩花の言う通りだ。
今回のことは、俺には何の関係もない。
ただ、俺が勝手に彩花の人生に押し入り、彩花をめちゃくちゃにしただけの話だ。

『プロポーズを断ったって、まー君に聞いたの?そんな話までするほど仲いいんだね…』

冷たく、感情を込めずに淡々と話す彩花の声。
その口調はいつも俺を罵倒する口調とは違っていた。
心を無くしたかのような、冷たい口調。

その口調を聞いてるうちに、俺は冷静さを取り戻していった。
彩花の冷めた口調が、俺の心を冷やしていく。

「今はそんな話ししてんじゃねぇだろう!何で…」



俺は本当に自分勝手な男だ。
彩花が結婚すれば、もうこんな不毛な恋はやめられると思った。
自分では鎮火出来そうにない想いを、彩花の結婚という形で終わらせられると思ったのだ。
なのに、プロポーズを断ったと聞いてしまって…

彩花を思う気持ちが暴走しだした。

一度は諦めようとしたはずなのに、この想いの行き場がなくなってしまった。
迷子のように狼狽えている。

「まさか、俺との関係のせいか…?」

もしかして彩花は…
俺に抱かれた事に対して罪悪感を感じているのか?
だから、北条のプロポーズを断ったのか?

「もしそうだとしたら…、お前は何も悪くないだろうっ!」

俺が…、俺が勝手に彩花を抱いた。
北条のものとわかっていながら、嫌がる彩花をムリヤリ奪ったのだ。

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