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昼想夜夢~君、想ふ~
第15章 君、想ふ
幻覚…?幻聴…?
違う。
あれは…、本当に純お兄ちゃん…?
本当に…?
でも、何で?
何で、ここに…?
「純お兄ちゃ、な、何で…?」
―――――っ!!
けたたましい音と共に電車が通過した。
あ、今のは、この駅に止まらない回送電車か…。
でも、電車の通りすぎる音は私の耳には入って来なかった。
私の耳は、純お兄ちゃんの腕で塞がれていた。
塞がれていた、というより
私の体は純お兄ちゃんの腕の中にすっぽりと収まっていた。
これは、白昼夢?
でも、純お兄ちゃんの声も感触もリアルに伝わって来る。
暖かさも、胸の動悸も、うるさいくらいに。
電車の通過する音すら聞こえて来なかったのに。
「ど、どうして…」
何から話せばいいのかわからない。
そもそも、これが現実なのかもわからない。
「そ、それは…、こっちの台詞だ、バカ…っ!」
痛い。
男性の力で思い切り抱き締められて、怒鳴るような声でバカと言われて。
いつもなら言い返すのに、今はまだ、夢を見てるみたいで腹すら立たない。
「勝手に消えやがって…、お前は、何回俺の前から消えれば気が済むっ!」
「どうして、ここが…」
抱き締める腕が震えてる。
聞きたいことや言いたいことがいっぱいあるのに、上手く言葉が出てこない。
「北条に聞いたんだよ…っ!勝手に仕事もやめやがって!」
「まー君に…?」
あの時、彩花のマンションの前で、北条は俺に殴りかかって来た。
―――バキッ!
鈍い音と共に左頬に走った激痛。
北条に殴られた俺は地面に倒れ込んでしまった。
違う。
あれは…、本当に純お兄ちゃん…?
本当に…?
でも、何で?
何で、ここに…?
「純お兄ちゃ、な、何で…?」
―――――っ!!
けたたましい音と共に電車が通過した。
あ、今のは、この駅に止まらない回送電車か…。
でも、電車の通りすぎる音は私の耳には入って来なかった。
私の耳は、純お兄ちゃんの腕で塞がれていた。
塞がれていた、というより
私の体は純お兄ちゃんの腕の中にすっぽりと収まっていた。
これは、白昼夢?
でも、純お兄ちゃんの声も感触もリアルに伝わって来る。
暖かさも、胸の動悸も、うるさいくらいに。
電車の通過する音すら聞こえて来なかったのに。
「ど、どうして…」
何から話せばいいのかわからない。
そもそも、これが現実なのかもわからない。
「そ、それは…、こっちの台詞だ、バカ…っ!」
痛い。
男性の力で思い切り抱き締められて、怒鳴るような声でバカと言われて。
いつもなら言い返すのに、今はまだ、夢を見てるみたいで腹すら立たない。
「勝手に消えやがって…、お前は、何回俺の前から消えれば気が済むっ!」
「どうして、ここが…」
抱き締める腕が震えてる。
聞きたいことや言いたいことがいっぱいあるのに、上手く言葉が出てこない。
「北条に聞いたんだよ…っ!勝手に仕事もやめやがって!」
「まー君に…?」
あの時、彩花のマンションの前で、北条は俺に殴りかかって来た。
―――バキッ!
鈍い音と共に左頬に走った激痛。
北条に殴られた俺は地面に倒れ込んでしまった。