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昼想夜夢~君、想ふ~
第15章 君、想ふ
「まさか、小川さんと何て思いたくなかったです…」
「……っ!」
瞳に涙をためて、俺を見下ろし、拳を握り締めていた。
その拳、本当はこのまま振り下ろしたいのだろう。
でも、北条は耐えていた。
俺には、北条の気持ちが痛いほどわかった。
俺を殴れば気も晴れるだろうが、そんな事をしたって彩花は戻って来ないと。
「…行って下さい」
「え…?」
行って下さい…?
そう言うと北条は俺の胸ぐらから手を離した。
これ以上、その表情を見られないように顔を背けた。
「俺じゃ…、あいつを幸せにしてやれないです…」
「……っ」
「さっさと行ってくださいっ!」
鼻の奥にツンッと込み上げる涙を、俺は必死に我慢した。
北条の気持ちが痛いほどわかる。
そして、今更ながら、自分が犯した罪への罪悪感に苛まれた。
こんな俺でも、まだ罪悪感を感じることが出来た。
罪悪感なんて…、彩花に触れた瞬間に忘れ去ったと思ったのに。
「どうか…、俺が諦められるくらい、あいつを幸せにしてやって下さい…」
俺は散々傷つけてきた。
北条も、彩花も。
こんな俺が、今更誰かを幸せに出来るのだろうか?
俺はそのまま走った。
北条の言葉が頭に響いている。
呪詛のように、何度も何度も。
「こ、この辺の駅、全部走り回って探したんだぞ…っ!」
「こ、この辺の駅、全部…っ?」
バカだとわかってる。
もう、数え切れないぐらいの罪を犯したというのに、俺はまたバカな事をしている。
「……っ!」
瞳に涙をためて、俺を見下ろし、拳を握り締めていた。
その拳、本当はこのまま振り下ろしたいのだろう。
でも、北条は耐えていた。
俺には、北条の気持ちが痛いほどわかった。
俺を殴れば気も晴れるだろうが、そんな事をしたって彩花は戻って来ないと。
「…行って下さい」
「え…?」
行って下さい…?
そう言うと北条は俺の胸ぐらから手を離した。
これ以上、その表情を見られないように顔を背けた。
「俺じゃ…、あいつを幸せにしてやれないです…」
「……っ」
「さっさと行ってくださいっ!」
鼻の奥にツンッと込み上げる涙を、俺は必死に我慢した。
北条の気持ちが痛いほどわかる。
そして、今更ながら、自分が犯した罪への罪悪感に苛まれた。
こんな俺でも、まだ罪悪感を感じることが出来た。
罪悪感なんて…、彩花に触れた瞬間に忘れ去ったと思ったのに。
「どうか…、俺が諦められるくらい、あいつを幸せにしてやって下さい…」
俺は散々傷つけてきた。
北条も、彩花も。
こんな俺が、今更誰かを幸せに出来るのだろうか?
俺はそのまま走った。
北条の言葉が頭に響いている。
呪詛のように、何度も何度も。
「こ、この辺の駅、全部走り回って探したんだぞ…っ!」
「こ、この辺の駅、全部…っ?」
バカだとわかってる。
もう、数え切れないぐらいの罪を犯したというのに、俺はまたバカな事をしている。