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昼想夜夢~君、想ふ~
第3章 戸惑い
「うわぁ、中は広いんだね」

彩花をリビングに通すと、彩花は俺の部屋をしきにりキョロキョロと見渡していた。

「て、適当に座ってな。コーヒー淹れるから」
「うん。ありがとう!」

俺の言葉に彩花はソファーに腰をかけた。
俺は動揺を悟られないように背中を向けてキッチンでコーヒーの準備をしていた。

つーか、俺は何を動揺してるんだ?
部屋の中に誘ったのは俺なのに、何を今更焦ってるんだ?

「ミルクと砂糖は?」
「私、甘党なんだ」

つーか、よく考えたらこの部屋に女性を入れたのは初めてだ。
正直に告白すれば、彼女ではなくその場限りの関係の女性はいた。
が、部屋に上げたことはなくホテル等で関係を済ませてばかりだった。
部屋に上げるほどの関係になった女性はいない。

まぁ、そのうち部屋に上げれる女性も出来るだろうと思っていたが、まさかそれがサヤカだったなんて。

「ねぇねぇ、純お兄ちゃんは彼女とかいないの?」
「はぁっ!?」

彩花のその台詞に思わずティースプーンを落としそうになってしまった。
つーか、いきなり何だよその質問はっ!?

「隠さなくていいじゃん。いるんでしょ?彼女」

俺をからかうように後ろから問いかけて来る。
とうとう彩花もそんな話題を口にする年齢になったのか。
って、無理もないな。
彩花はもう24歳の大人なんだから。

「い、いねぇよ、彼女なんて…」
「嘘ー。純お兄ちゃんイケメンだから絶対いると思ったのに」

37のおじさん捕まえてイケメンって何だよ。
昨夜から、ずっと彩花に遊ばれてる気がする…。


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