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昼想夜夢~君、想ふ~
第3章 戸惑い
「だから、純お兄ちゃんと出会って、純お兄ちゃんと遊べるようになって、私凄く嬉しかったんだよ!」

……。
あの頃の俺は、毎日毎日ただ何も考えずに大学に通ってた。
アルバイトはしてたにしても、親からの仕送りもあった。
彼女を作ったり、友人と遊んだり、それが当たり前のように過ごしていた。
俺が毎日何気なく過ごす一方で、彩花はずっと、寂しさに耐えながらあの公園で遊んでいたんだ。

一人でずっと、あの公園で…。

「で、そのうち、児童養護施設の人が来て、私は施設に連れて行かれたんだ。あの頃はそれがどういう事かよくわかってなくて、そのうちまたお母さんや純お兄ちゃんにも会えるって思ってたんだけど、さすがに無理だったね」

児童養護施設。
虐待、ネグレクトを受けてる子供を保護する施設、だったっけ?
彩花の場合、母親が家に男を連れ込みその間ずっと放置状態だったもんな。
誰かが養護施設に通報でもしたのだろうか。

当時俺が住んでいた場所から養護施設までは電車移動の距離。
子供の彩花が自由に行き来できる距離ではない。

「しばらくして、お母さんの親戚の人に引き取られて、高校を卒業してすぐに就職。いつまでも居座るわけにも行かないでしょ?」

なるほど…。
俺が知らないところで彩花の人生にはいろんな事があったんだな。
今は笑顔で語ってくれてるが、きっとそれなりの苦労もあったはずだ。

「大変、だったんだな…」
「そんな事ないよ。親戚の人達もいい人ばっかりだし高校も卒業させてくれたしね。進学も進められたんだけど、早く社会に出て働きたかったから」

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