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昼想夜夢~君、想ふ~
第4章 君に触れる
全身の毛穴から冷たい汗が吹き出す。
彩花の苦しそうな声や表情を見てるだけでこちらもヤバい。
俺の理性や知性が崩れて行く。
どんどん正常な俺がいなくなり、残虐な俺が顔を覗かせる。

「だ、だめぇ…、もうっ、あぁぁ…っ」
「ダメだって言ってるだろ?まだ我慢出来るだろ?」
「無理…、あんっ、嫌ぁ…っ、純お兄ちゃ…っ、あっ!!」




――――純お兄ちゃん。

その呼び方が俺をイラつかせる。
俺は彩花のお兄ちゃんじゃないと言ってるのに、まだその名を呼ぶのか。

悔しさと腹立たしさからギリッと歯を食い縛った。

お兄ちゃん…。
俺はどこまで行っても彩花のお兄ちゃんでしかないのか?

「イッ、イク…、も、やだぁぁぁ…っ」
「じゃあ、俺の名前を呼んでみろ?」

お兄ちゃんじゃない。
俺は『お兄ちゃん』なんて名前じゃないし、彩花のお兄ちゃんでもない。

お兄ちゃんなんて、呼ばれたくない。

「純、お兄ちゃ…っ、ああっ!!」
「お兄ちゃんじゃない。純也だ。呼んでみろ」
「そん、な…っ。ひぃっ…」

今まで俺を呼び捨てにしたことなんてないだろう。
今更呼び捨てなんて恥ずかしくて無理だろうな。
だが、俺は彩花にだけはお兄ちゃんなんて呼ばれたくない。
北条の名前を呼ぶみたいに俺の名前も呼んで欲しかった。

「い、嫌…っ、そんなの、無理だよぉ…っ!あぁんっ!」
「無理じゃない。お前に拒否権なんかねぇんだよ」
「ああっ、ゆ、許してぇ…っ、やだぁ…」
「お前自分の立場わかってんの?今お前は脅迫されてんの。あの写メをバラまかれていいなら拒否してろよ」

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