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昼想夜夢~君、想ふ~
第5章 BIRTH DAY
このまま行けば、遅かれ早かれ現実になるであろうビジョン…。


頭が割れそうに痛い。
彩花と北条の結婚式を思い浮かべただけで、頭の中が沸騰するみたいに痛くて熱い。


彩花が永遠に北条の物になるなんて、耐えられない。


耐えられそうにない…っ。










しかし、彩花には「北条にバレないように振る舞え」とか言ったくせに、俺の態度の方がバレバレだな。
さっきみたいに過剰に反応したり、不審な動きが多すぎる。

北条と距離を取れればいいのだろうが、北条は後輩だし、そうも行かない。
部署も同じだし、デスクも近い。
何かあれば俺と北条でペアを組まされる。

北条と唯一離れられるのは、昼休憩の時間の屋上ぐらいだな。
未だに喫煙者の俺は、昼飯後に会社の屋上で一服するようにしている。
最近、どこへ行っても禁煙ばかりだ。

今だって、こうやって北条から離れて屋上で一服している。

「はぁ…」



ため息を付きながら見上げた空。
この後、一雨来そうな天気だな…。
空には鈍色の厚い雲が広がっている。
耳をすませば、どこかでゴロゴロと雷の唸りが聞こえる。

あー、傘持って来てねぇなぁ。

日中、こうして北条と離れていられるのが屋上だけとはな…。
今は北条に会いたくない。
いや、北条の幸せそうな顔を見たくない…。

何食わぬ顔で、当たり前のように彩花と一緒にいれる北条をこれ以上見たくない。
何をどうやったって、俺は北条にはなれないから。
彩花はもう、俺の事など殺したいぐらいに憎んでるはずだから。


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